原発について

第1章 どうして脱原発を急ぐ必要があるの?

–日本は地震の活動期に突入!–

◆1.原発は大地震に耐えられない

政府・東電は福島第一原発の事故を、地震ではなく、想定外の大津波によるものとしたいらしい。地震で原発が壊れた、という話になると、地震国日本にこんなに原発があることについて、みんな不安に思うからね。

でも実際には、震度6という決して珍しくない地震で受電鉄塔が倒れ、電源喪失したことが、あの事故の第一の要因なんだ。それに、1号機の圧力容器は地震直後に水位が急に低下し、圧力も落ちた(運転時の70気圧→約8気圧に低下)ので、配管が破損した可能性が高い。圧力容器は頑丈でも、施設や配管はそれほどじゃない。そして、施設や配管が破損しただけで、今回みたいな大事故につながるんだ。内閣府原子力委員会の専門委員を務めた中部大学の武田邦彦教授は「原発は震度6で壊れる仕様になっている」と公言しているヨ。

そもそも日本の原発は、どのくらいの揺れを想定してつくられているんだろう。地震の揺れの強さを表すのに用いる加速度の単位「ガル」でいうと、平均して400ガルくらいの地震には耐えるようにつくられている。東海地震の危険性が高い浜岡原発では1000ガルだ。

では、現実の地震でどのくらいの加速度が観測されるかというと、今回の東日本大震災で最も強い揺れを記録したのは宮城県栗原市で2933ガル。2008年、宮城内陸地震のときには岩手県一関市で3866ガルを記録している。つまり、巨大地震が来たときに耐えられる原発というのは、日本に一つも存在しないんだ。

ちなみに2011.3.11に福島第一原発の中で最も強い揺れが観測されたのは2号機で550ガル。2007年の中越沖地震では柏崎刈羽原発3号機で2058ガルで、この時も事故を起こしている。こうして見ると、大きい地震があれば、原発では事故が起こって当然、ということがよくわかるね。

◆2.巨大地震が来るのは明日かも

2011年に起きた震度5弱以上の地震は68回で、気象庁が統計を取り始めた1926年以降もっとも多かった。過去の年平均は約4回だから、たった1年で17年分の強い地震が日本列島を襲ったことになる。地震活動は50~100年位で周期的に静穏期と活動期を繰り返す。つまり日本は地震の活動期に突入したんだ。

東海大学地震予知研究センター長・長尾年恭氏によれば、現在の状況は1100年前と非常によく似ているらしい。9世紀には貞観地震が起き、富士山が大噴火して、その後に東海地震が起きた。30年くらいの間に天変地異がたくさん起きたんだ。今後も近いうちに、3つの大地震が確実に起きる、と長尾氏は断言しているヨ。房総沖地震(マグニチュード8クラス)、首都圏直下型地震(マグニチュード7クラス)、東海地震(マグニチュード8かマグニチュード9)の3つだ。(ちなみに今回の東日本大震災もマグニチュード9)。

さらに、東海地震が起こるとき、東南海地震や南海地震も同時に起こる、あるいは1日か2日以内に連続して発生する可能性もあるらしい。そうなればマグニチュードは最大9~9.5になり、地形によっては50メートルほどの津波が襲う場所も出てくる可能性がある。こんな大地震が来たら原発なんてひとたまりもない。その大地震は、明日来るかもしれないし、今日来るかもしれないんだ。

福島原発の事故で不幸中の幸いだったことは、本州の東の端に位置しているため、偏西風で大部分の放射性物質が太平洋上へと吹き飛ばされたこと。もしも九州の玄海原発あたりで事故があれば、放射性物質は偏西風によって日本列島を横断し全国にまき散らされることになる。人の住めない地域が広大な面積に広がってしまうかもしれないよ。

世界中の陸地のたった0.2%ほどの日本の国土に、世界の人口の2%ほどの日本人が住み、世界中のM6以上の地震のうち日本で起こった確率が約20%と言われているのに、世界中の原発のうち13%もの原子炉が日本に建てられてしまっている。

巨大地震(M5以上、深さ100Kmより浅い)が日本で発生する頻度は世界平均の293倍にものぼるのに、日本の原発密度は世界平均の186倍だ。通称「原発銀座」の若狭湾を擁する福井県に至っては、原発密度は世界平均の4384倍にものぼる。異常だと、

怖いと、思わないかい?

(地震、原発密度データ出典:http://d.hatena.ne.jp/byebyegenpatsukyoto/20120202/1328188683

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