増税について

第3章 景気を良くすりゃ税収は増える

— 増税よりも景気回復が先! —

税率を変えずに税収を増やす方法がある。それは、景気を良くすることだ。景気がよくなれば、みんなの所得が増えるから、税率は同じでも税収は増える。法人税や所得税は名目の売上高や所得に課されるから、名目GDPが増えれば、自動的に税収も増えるというわけだ。逆に、名目GDPが減ってしまえば、増税をしたとしても税収は減ってしまうんだ。

【名目GDPと一般会計税収の推移】

[IMFと財務省のデータから作成]

税収と名目GDPには相関関係があるということが、上のグラフからもはっきりわかるね。

しかも、過去15年間のデータでは、名目GDPが1%増えたただけで、税収は4%も伸びることがわかっている。(※民主党の金子洋一参議院議員の主張による)。

つまり、税収を増やしたければ、景気を良くすること=経済成長が何よりも大事ってこと!

というのが、正しい順番だ。

では、どうすれば、経済成長させられるか。次の章で説明しよう。

★さらに詳しく知りたい人に【政府もホントは知っている-景気回復が最優先】

デフレ不況下で増税すれば、消費が減って、税収も減ってしまうことは、「マクロ経済学」の常識。財政再建のためには景気回復が重要であることは、ホントは政府も百も承知のはずなんだ。その証拠に、麻生政権下で決められた所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)附則104条では「平成二十年度を含む三年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする」とある。つまり、増税には景気回復が前提条件として必要だ、と認めていたんだ。この景気回復という前提条件を無視して、震災復興を口実に拙速に増税しようという野田政権は国民をバカにしている。背後で操る黒幕がいるからだろう。

★さらに詳しく知りたい人に

【税収弾性率のトリック】

GDPが1%伸びたとき、税収が何%増えるかを示す数値を「税収弾性値」と呼ぶよ。2011年10月17日に発表された内閣府の『経済成長と財政健全化に関する研究報告書』http://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/k-s-kouzou/shiryou/k-s-3kai/pdf/2.pdfの結論では「1980年代のデータから算出される税収弾性値は1.3前後である」と書かれている。でも、2001から2009年度の税収弾性値はそれよりずっと高く、平均が「4」以上。直近のデータを無視して「税収弾性値は1.3」とするなんて、おかしいよね。この報告書では「だから名目成長率を高めて税収を増やしても財政再建はできない」と結論付けている。増税したいがために意図的に結論をねじ曲げているとしか思えないね。

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